Nebula Orionis
The Long Path to Nowhere
Nebula Orionis
The Long Path to Nowhere
- release date /2024-08-10
- country /Russia
- gerne /blackgaze, postmetal, post-rock, shoegaze
ロシアのコズミック・ポストブラックメタルの11thアルバム。
Nebula Orionisは、オーケストラのパーカッショニストが本職のAlexander氏によるソロ・プロジェクトで、2013年にスタートし、10年以上活動を続けるベテランです。ショスタコーヴィチやラフマニノフなどの20世紀の作曲家の他にアトモスフェリック・ブラックメタルをインスピレーション源として、ブラックメタルをベースにシンセやピアノを散りばめた美しいサウンドを作り上げています。
前作『Sorrow』はブラストビートを伴ったポストブラックメタル色の強い作品でしたが、本作はミドルテンポ主体でシンセを前面に出したメロディアスな仕上がりとなっています。ヘヴィなギターをバックにシンセやピアノが星々のようにキラキラと漂う様は、まるで宇宙船から望む広大な銀河さながら。宇宙の神秘を体感するのにもってこいのアルバムです。
前作でも登場したブラックメタル由来のスクリームは今作でも健在で、神秘的なサウンドにアクセントを添えています。前作のレビューでも触れましたが、10mくらい先から聞こえてくるような独特の響きが黎明期のブラックメタルみたいで気に入っています。EnshineやUnreqvitedといったSF風味のポストメタル/ブラックゲイズがお好きな方に特にオススメ。
作品が多すぎてどのアルバムから聴けばいいのかお悩みの方へアドバイス。音楽性は一貫しているためどれから手をつけても問題はありませんが、冷たく哀しいサウンドならWinter Hymns(2015)、激しいものが好みならSorrow(2023)をおすすめします。
それでは、オリオン星雲を巡る壮大な旅路をお楽しみくださいませ──