REVIEW

フューネラルドゥームの始祖にして最重要バンドであるThergothonのNiko SkorpioとJori Sjöroosが1994年に結成。暗黒音楽の極致といえるThergothonから意外な変身を遂げた事が一部のマニアの間で話題となりました。

ロバート・スミス風の気怠げなボーカルの印象からゴシックロック・ダークウェイヴの一派とみなされる事が多いですが、儚げなアルペジオとひりつくような轟音の対比が生む陶酔感やキーボードが醸し出す幻想美はシューゲイズ・ドリームポップ好きの耳にも充分フィットすることでしょう。

Alcestより遥か昔にエクストリームメタルからシューゲイズへの流入が存在していた証左の1つとして後世に語り継ぎたい名作。短命に終わったためフルアルバムは1作のみですが、デモや未発表曲を収録した編集盤もリリースされているのでダークシューゲイズマニアはもれなく抑えておきましょう。

This Empty Flow解散後にJori Sjöroosが結成したMagenta Skycodeはだいぶ元気になっちゃっていますが、持ち前の繊細なサウンドからドリームポップとみなされる事もあるもよう。フューネラルドゥームを経てこの道に辿り着いたのだ思うとなかなか感慨深いものがありますね。