
Mareux
Lovers From The Past
Mareux
Lovers From The Past
- release date /2023-05-05
- country /US
- gerne /darkwave, coldwave, synth-pop, dream-pop
イラン系アメリカ人のミュージシャンAryan AshtianiによるソロプロジェクトMareuxのデビューアルバム。アルバムこそ初ですが、10年以上のキャリアを持つベテランです。彼は自らの音楽をロマンティック・ダークウェイヴと称し、80年代ニューウェイヴやゴシックロック、シンセポップからの影響を色濃く受け継ぎつつ、現代的な感性で再構築されたメランコリックなサウンドを特徴としています。
2022年にはシングル“The Perfect Girl”がTikTokで大きな話題となり、様々なユーザーによるリミックスが制作されました。
詳しい経緯は【ニコニコ大百科】The Perfect Girlとはを参照してください。まさかぼっち・ざ・ろっく!にまで波及しているとは私も知りませんでした(笑) ちなみにこの曲はThe Cure“Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me”に収録された同名の曲をベースにしていますが、歌詞以外はほぼ別物に再構築されており、聴き比べるとそのオリジナリティが際立ちます。
2023年にCoachellaへ出演を果たしたMareuxの人気は留まることを知らず、Spotifyの月間リスナー数は5.29M(2024年9月時点)となっており、伝説のバンドJoy Divisionに迫る勢いです。現在のダークウェイヴの人気再燃において、最も重要なアーティストの1つと言えるでしょう。
本作では、従来のダークウェイヴ路線に加え、ドリームポップの要素が取り入れられているのが最大の特徴。#1 “Night Vision”や#9 “Hurt”では、繊細なギターアルペジオを散りばめたメロウなサウンドに虚ろなささやき声が重なり、真っ暗な部屋で今にも消えそうなロウソクの炎を見つめているような孤独感が襲ってきます。もしCigarettes After Sexがゴス化したらこんな感じかもしれませんね。また#2 “Glass”では、King WomanことKris Esfandiariがゲスト参加し、虚脱感漂う4つ打ちナンバーに幽玄なウィスパーボイスを重ねています。普段の重厚なドゥームゲイズとはガラリと違っていて非常に新鮮でした。
ノーツを削ぎ落としたミニマルなサウンドは、Billie Eilishのデビューアルバムにも通じるものがあり、ゴスに馴染みのないリスナーにも親しみやすいところも人気の秘訣の1つかもしれませんね。ドリームポップ好きもぜひ気軽にお試しあれ!