
Lesser Care
Heel Turn
Lesser Care
Heel Turn
- release date /2024-03-22
- country /US
- gerne /darkwave, dream-pop, newwave, post-punk, shoegaze
テキサス州エルパソのポストパンク/シューゲイズ・バンドLesser Careの2ndアルバム。マスタリングはNothingやTurnoverでお馴染みのWill Yip。
結成は2019年。初音源のリリース時はトリオ編成でしたが、現在の正式メンバーはAndres Chavez(Gt/Vo)、Zane Pacillas(Dr/Vo)の2名のもよう。
本作は、退廃的で躍動感のあるポストパンクを下地にドリーミーなギターとシンセのテクスチャーを加え、エコーがかかった淡い歌声をデコレーションした甘めの仕上がりで、ドリームポップやシューゲイズ好きにもオススメの逸品となっています。
イチオシは#5“Candy”。2本のギターが奏でるキラキラしたフレーズが絡み合い、まるで2つに分身した初期DIIVにサンドイッチされているよう。また、#3“STREETWEAR”はパンクの血が強く現れたナンバーで、疾走パートから力強いギターリフとドラムの応酬を繰り出す展開が激アツ。ゲストボーカリストを迎えた#6“HEAVENLY”では、男女ツインボーカルの美しいハーモニーを披露。随所にシューゲイズ好きのツボを抑えた采配が光ります。
クオリティは上質ながら、ドリームポップやシューゲイズに接近した影響でダークさが薄れてしまった点は好みが分かれるところ。私は前作の色気があるゴスっぽい歌声が好きだったので少々物足りなく感じましたが、血まみれの鎖から包帯を巻いた姿へと変化したカバーアートから推測するに、傷が癒えていく過程を描くためにあえて作風を変えたと解釈すれば納得がいきます。このまま光へ向かうのか、はたまた闇へ引き返すのか、今後の動向に注目したいです。