
Echos
QUIET, IN YOUR SERVICE
Echos
QUIET, IN YOUR SERVICE
- release date /2025-01-17
- country /US
- gerne /alternative-rock, darkwave, dream-pop, electronic, gothic, neoclassical, nu-metal, shoegaze
ワシントン州バトルグラウンド出身のシンガーソングライター、Echosの4thアルバム。Sumerian Records傘下のOutlast Recordsからリリース。
Echosは、ボーカリスト/シンガーソングライターのAlexandra Nortonが19歳の時に始動させたプロジェクト。名義はParamoreの楽曲『Misguided Ghosts』の歌詞に由来しています。これまで繊細な歌声を活かしたエレクトロ路線で人気を博してきましたが、本作ではオルタナティブロックやニューメタルに由来するヘヴィなギターを取り入れ、よりダークな世界観を開拓しています。この変化の背景には、Paramoreの影響に加え、Alexandraが現在お気に入りとして挙げるEthel CainやSpiritboxの存在があったようです。
注目はタイトルトラックの#3“QUIET, IN YOUR SERVICE”。Evanescence(オルタナ/ゴシックメタル)とWisp(ニューゲイズ)を巧みに融合させたような楽曲で、ダークなサウンドの中に深い哀しみを宿した歌声が響き渡り、胸が張り裂けそうなほどの切なさが押し寄せてきます。#5“OVER & OVER”ではさらに激しいギターが飛び出し、エコーズACT3ばりのヘヴィネスを見せつけます。これには従来のファンも驚いたことでしょう。その後も暗く哀しい楽曲が連続しますが、ラストを飾る#9“TOLERANCE”では神秘的なコーラスが降り注ぎ、長い夜の先に訪れる日の出のようなカタルシスをもたらしてくれます。
Alexandra自身が「鬱病を克服し、自分を取り戻す手助けをしてくれた」と語るように、このアルバムは同じような苦しみを抱える人々の心を癒やしてくれることでしょう。近い系統のアーティストとしてはAmira Elfekyが挙げられますが、Echosはより幻想的で浮遊感があるため、ドリームポップやシューゲイズのリスナーにもおすすめです。
ちなみにEchosのSNSで#twilightcoreというタグが頻繁に使用されていたため、どんな意味か調べたところ、映画『トワイライト』のゴシック調のロマンティックなスタイルを指す言葉だと判明しました。EchosがいかにParamoreから強く影響を受けているかが覗えますね。