
Maze Hunters
Parts
Maze Hunters
Parts
- release date /2024-10-27
- country /Bulgaria
- gerne /post-punk, darkwave, shoegaze, indie-rock
ブルガリアのポストパンク╱シューゲイズ・バンドの2ndEP。2018年にブルガリアのソフィアで結成。前作からドラムが交代し、ギターボーカル・ベース・ドラムスのトリオ編成となっています。
デビューアルバムは轟音ギターを伴った疾走チューンが中心でしたが、本作から内省的でロマンティックな作風にシフト。ボーカルはマイルドで深みのある歌声となり、オーロラのようなシンセや流星のように煌めくギターとなめらかに溶け合い、深いノスタルジーへと誘ってくれます。初期DIIVやHouse of Harmが好きな方にオススメ。

2beef
Lucky
2beef
Lucky
- release date /2024-10-31
- country /Japan
- gerne /alternative-rock, grunge, nu-gaze, shoegaze
TikTokを震源地にWispやNovulentといった若手アーティストたちがしのぎを削るニューゲイズ戦国時代。本作は、そんな中で颯爽と現れた日本の3ピースバンド2beefによるデビューEPです。
“この私って、私って、誰─?”というアニメ版『serial experiments lain』最終話の台詞に続き、グランジ由来のざらついた轟音が炸裂。冷徹さすら漂う徹底したヘヴィネスとパワフルな演奏のコンビネーションはNovulentやgreedi、Split Chainといった新進気鋭のヘヴィシューゲイズ勢を彷彿とさせるほどハイレベル。一旦ブレイクしてSEを絡めつつブレイクコアになだれ込む自由な展開も現代的なセンスを感じさせます。
続く#2“222”はドラムの連打で始まり、マイルドなボーカルをのせてじっくりとメランコリーを紡いでいくミドルチューン。ややボーカルが埋もれ気味なミックスですが、90sシューゲイズのアングラっぽさが感じられてむしろアリ。
また、曲中に散りばめられた声ネタだけでなく、Bandcampのヴィジュアルにさよ教の巣鴨睦月や雫の月島瑠璃子を起用するあたり、メンバーはなかなか年季が入ったオタクとお見受けしました。皆さん何歳くらいなんでしょうね。私、気になります!
ニューゲイズブームに取り残されている印象のある日本ですが、そんな中で2beefは現在進行系で世界基準の音を鳴らしている貴重なバンドだと思います。1日も早くライブを観てみたいですね。
せ~のっ!Cサイトで私と握手!
最新情報は2beefの各種SNSをチェック:X(旧Twitter)|Instagram

Bubble Tea and Cigarettes
we should've killed each other
Bubble Tea and Cigarettes
we should've killed each other
- release date /2024-11-01
- country /US
- gerne /bedroom-pop, dream-pop, ethereal-wave, indie-pop, bossa-nova
ロサンゼルス州シアトル発ドリームポップ・デュオの2ndアルバム。2019年にNYでAndi WangとKat(Ruinan Zhang)によって結成され、ヨーロッパの映画音楽や日本の音楽、ボサノヴァなどのブラジル音楽を織り交ぜたメロウでドリーミーなサウンドを特徴としています。1stアルバムから2年ぶりとなる本作でも、温もりと切なさ、冷たさと哀しみが渾然一体となった極上の美酒を醸造しています。
孤独感が漂うワルツ調の前奏曲#1“Dead Flowers”に続く#2“Plane Crash”は「一緒に同じ飛行機に乗って(墜ちて)死ねたらいいのに」という狂おしい想いが綴られたラブソング。「あなたのために世界を滅ぼしたい」というフレーズがセカイ系脳に突き刺さってまたしても悶絶。また、MVの草原のシーンは『リリィ・シュシュのすべて』を彷彿とさせますが、#7“Swallowtail Butterfly”の歌詞も『スワロウテイル』をオマージュしており、彼らが岩井俊二の熱心なファンであることが窺えます。この件はどこかの日本のメディアがインタビューで深堀りしてくれると期待。
私のイチオシは#3“Envelope”。浮遊感のあるシンセがたなびく中、恋人たちの睦言のようなツインボーカルが溶け合う陶酔美はMen I Trushに匹敵するレベル。ラストの#8“Glider”は温かく穏やかなムードながら、ビタースウィートな歌詞が綴られていて、滅亡を迎えた世界に取り残された2人が手を取り合いながら、水の底へと沈んでいくようなシーンが浮かんできます。アルバムタイトル“we should've killed each other”は往年の名作物語で描かれてきた想い合う2人が互いの命を断つという『究極の愛』を象徴しているのかもしれません。
1stの完成度の高さゆえにハードルが上がりまくりでしたが、全くもって杞憂でした。リリースから1ヶ月後に開催される再来日公演は間違いなく盛り上がりそうですね。むろん私も行きますとも!
シアトルのドリームポップ・デュオBubble Tea and Cigarettes、2024年12月9日(月) 新宿MARZにて再来日公演決定!
さてそんなBubble Tea and Cigarettesですが、影響を受けたアーティストの1つに日本のLampを挙げているんですよね。ブラジル音楽のエッセンスや男女ツインボーカルなど、共通項が多い両者は相性ぴったり間違いなし。どなたか対バンをご検討のほどよろしくお願いいたしますッ!(土下座ッ)

Mayflower Madame
Insight
Mayflower Madame
Insight
- release date /2024-11-01
- country /Norway
- gerne /darkwave, dream-pop, post-punk, psychedelic, shoegaze
ノルウェーのポストパンク/シューゲイズ・バンドの3rdアルバム。
Trond Fagernes(Gt/Vo)とRune Overby(Gt)の幼馴染同士で高校時代に結成。その後、いくつかのラインナップ変更を経て、現在はPetter G. Marberg(Ba)、Ola J. Kyrkjeeide (Dr)、Kenneth Eknes (Syn)が加わって制作されています。
本作は80年代のゴス/ポストパンクをベースにシューゲイズ〜ドリームポップの耽美性を融合したサウンドが特徴で、陰鬱に脈打つドラムとベースをドリーミーで透明感のあるギターとキーボードでコーティング。そこに妖艶でスモーキーなボーカルやざらついたエッジのギターが加わることで、甘いロマンチシズムの中にくらくらするような毒気が生まれ、『サイケゲイズ』と称される彼らのサウンドの強みとなっています。
イチオシは#8“Crippled Crow”。砂嵐のようにうなりを上げるギターが、聴く者の不安を否応なく掻き立てる。また、“The album is dedicated to Marion Serck Fagernes”とあるように本作の背景にはTrondの家族との死別があり、#1“Ocean of Bitterness”や#9“Insight for the Mourning Hours”などの歌詞にやるせない心情が表れています。どうか彼の哀しみが癒やされんことを……

deary
Aurelia
deary
Aurelia
- release date /2024-11-01
- country /UK
- gerne /dream-pop, ethereal-wave, indie-pop, shoegaze, trip-hop
UKロンドンのドリームポップ・デュオによる2nd EP。
dearyは、ギタリスト兼プロデューサーのBen Eastonと、ボーカル/ギターのRebecca 'Dottie' Cockramによって結成。ロックダウン中に共通の友人を通じて出会い、シューゲイズ好き同士で意気投合したことがきっかけだそうです。
彼らのサウンドは、リバーブを効かせたドリーミーなギターと、妖精のように儚げな歌声が織りなす幻想美が特徴です。Cocteau Twinsを擁した4ADからProjekt Recordsへと連なる系譜を現在進行形で体現している非常に貴重な存在で、両レーベルの信奉者の私にとって、dearyの登場はまさに福音でした。
さらに本作では、1st EPから音響が格段に向上し、音の1つ1つがシャープに研ぎ澄まされ、大海のような揺らぎと壊れそうなほどの繊細さが見事に共存しています。その美しさといったら、聴いていて思わずため息が漏れるほど。
特におすすめなのは、トリップホップ色を強く打ち出した#2“The Moth”。Cocteau Twinsの耽美さとPortisheadの仄暗さを合わせ持つナンバーで、キラキラと眩く輝くギターがまるで万華鏡の中に迷い込んだような錯覚をもたらします。本年度、最も美しいドリームポップソングの1つだと思います。また、同曲のMVは映画『ピクニック・アット・ザ・ハンギング・ロック』を連想させる映像も素晴らしいので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
現在dearyはベースとドラムを加えた4人編成でライブを行っており、結成からまだわずかな期間にもかかわらず、SlowdiveやCranesといったベテランから、Wispのようなニューカマーのサポートまで務めるなど、活躍の場を広げているようです。ファンの皆さんはdearyが来日してくれることを祈りつつ、国別リスナー数で日本がトップになるくらいガンガン聴き込んでいきましょう!

Leaving Time
Angel In The Sand
Leaving Time
Angel In The Sand
- release date /2024-11-01
- country /US
- gerne /alternative-rock, emo, grunge, hardcore-punk, post-punk, shoegaze
フロリダ州ジャクソンビルを拠点に活動するシューゲイズ・バンドのデビューアルバム。
True Form、Method of Doubtといったハードコア系のバンドで演奏していたReed Cothren(Gt/Vo)、Joel Cedeno(Gt)、Nick Dilts(Ba)、Jarod Whalen(Dr)の4人によって2020年に結成。若手と思いきや、前述のバンドを合わせると10年以上のキャリアがあるベテランです。これまで2作のEPと、All Under Heaven&Glareとのスプリットをリリースし、シューゲイズ好きの間で注目を集めてきましたが、本作が待望のフルアルバムとなります。
ハードコアをルーツにしたヘヴィなサウンドとメランコリックで内省的なメロディの融合が彼らの特徴。リードギターとボーカルが哀愁たっぷりに溶け合う#3“Only Forever”や#4“Wish”はまさにその代表格。
跳ねるリズムがモッシュを掻き立てる#6“Angel In The Sand”、激しく刻まれるギターリフが心を焼く#7“Burn”、痛みを抱きながら希望へと踏み出す疾走チューン#10“And On”と、楽曲のバリエーションも豊富で、じっくり黄昏れたい人から、ヘッドバンガーやモッシャーも満足させる内容となっています。全体的にメロディアスで聴きやすいのでヘヴィシューゲイズの入門用としてもオススメです。
そんなLeaving Timeですが、US東海岸ツアーを共にした盟友Hollow Sunsの招聘により来日ツアーが決定しています。2025年3月19日㈬の新大久保アースダムを皮切りに全国10会場を巡る充実の内容となっていますので、ファンはぜひ足を運んでみてください。私ももちろん行きます!
LEAVING TIME / HOLLOW SUNS SPRING JAPAN TOURの予約ページ
ちなみにベーシストのNickは、自分が働くコーヒーショップとコラボしてAngel Blendというオリジナルブレンドの珈琲をグッズとして販売しています。彼に現地のおすすめカフェを紹介してあげると喜ぶかもしれませんよ!

WORLD CITIZEN
Rebuilding the Ruins of Regret
WORLD CITIZEN
Rebuilding the Ruins of Regret
- release date /2024-11-02
- country /Japan
- gerne /post-rock, ambient, shoegaze, alternative-rock, post-classical
東京のポストロック・バンドのデビューEP。コンポーザーのNobuki Yagi氏は、元はsaisaというバンドで4つのアルバムをリリースし、中国や台湾で公演も行ったベテランのアーティスト。しかしコロナ禍によりツアーやレコーディングはすべて中止となりメンバーは離散、バンドは活動停止となったようです。その後、2023年公開の紀里谷和明監督の映画「世界の終わりから」の劇伴に抜擢されたことがきっかけで音楽への情熱を取り戻し、新たなメンバーとともにWORLD CITIZENとして再始動。バンド名は坂本龍一とデヴィット・シルヴィアンのコラボ作に由来しています。現在はNobuki Yagi(Gt/Vo)、Satoshi Adachi(Ba)、Kaz Matsuda(Dr)のトリオ編成で活動中。
WORLD CITIZENの存在を知ったのは、彼らの初企画となる吉祥寺NEPOのイベントがきっかけ。Presence of SoulやMYY.といったベテランのバンドとともに名を連ねており、興味が湧いてデモ音源を試聴したところ、冷たいピアノを散りばめたダークなサウンドにたちまち心を射抜かれました。
1stライブを経た後にレコーディングされた本作は、「後悔の廃墟の再生」と題し、より「希望」を感じさせる作風になっています。オープニングを飾る#1“Eternal Moment”は重厚なストリングスを主体としたインストで、モノクロームの世界に光が満ちていくような美しい情景が浮かんできます。#2“Faith in Ordinary”、#3“Siren”ではsaisa時代から変わらないクリスタルヴォイスを披露。オーロラのごときサウンドとあいまってSigur Rósのような神々しさすら感じられます。#4“Agitator”はsaisaの2ndアルバムの楽曲をリアレンジしたもので、ノイジーなギターが渦巻く混沌とした荒野に美しいピアノが降り注ぐ荘厳なナンバー。終盤には原曲にない新たなパートが加わり、よりドラマティックになっている点も見逃せません。
今後の日本のポストロックシーンを賑わせてくれそうな快作。これから彼らがどんな世界を描いていくのか非常に楽しみです。
また、この記事を書くにあたって前身に当たるsaisaの作品を全部聴いてみましたが、4作それぞれ作風が異なっていて、どれも素晴らしかったです。 個人的には凍度高めの轟音ポストロックが揃う2ndアルバム“and I will”がお気に入り。ご興味ある方はぜひチェックしてみてください。WORLD CITIZENで再録されている曲も幾つかあるため聴き比べてみるのもまた一興かと思います。※いずれもBandcampで試聴できます。

EARTHLING
寓話
EARTHLING
寓話
- release date /2024-11-06
- country /Japan
- gerne /post-rock, alternative-rock, shoegaze, post-metal, doom-metal, gothic-metal, progressive-rock
町田を拠点に活動するポストロック/シューゲイズバンドの2ndEP。EARTHLINGは2022年に結成し、Ayaka(Vo)、Katty(Gt)、Raita(Ba)、Hiroki(Dr)、Mitan(key)※サポートの5人編成で活動中。バンド名はデヴィッド・ボウイのアルバム“Earthling”が由来。
1stEPから約半年という短いスパンでリリースされた本作は、ヘヴィなギターと美しいボーカルという組み合わせを継承しつつ、よりスロウでダークなサウンドへシフトしており、闇と美の対比がより際立った印象を持ちました。
#2“灰色”は、水の揺らめきのような幻想的なイントロから一気にヘヴィなギターがなだれ込み、暗い森の中へと我々を連れ去っていく。ゴリゴリと刻むギターをバックにボーカルのAyaka氏は時に妖しく、時に情熱的に歌いあげ、まるで暗闇に灯るロウソクのような存在感を放っています。続く#3“残像”ではシューゲイズらしい幻想的な歌声を披露。いっぽうギターはヘヴィなままというギャップが鮮烈。静と動、柔と剛という相反する要素を巧みに組み合わせる手法はEARTHLINGの真骨頂。
また一筋縄ではない起伏に富んだ構成や妖艶な暗黒美には個人的にThe 3rd and the MortalやUnholyといった90年代のカルトなゴシックメタルに通じるものを感じました。あの頃のサウンドにシューゲイズ〜ポストロックの要素を注入したらこんな感じになるかもしれませんね。インタビューによるとシューゲイズ以外にもV系、メタル、ゴシック、インダストリアル、プログレなど様々なジャンルに影響を受けているそうで、この個性的なサウンドに至ったのも納得です。
“寓話”というタイトルもどこか意味深。私は開幕の時計の音や、「灰色」の歌詞の「馬車」というフレーズからシンデレラ(灰かぶり姫)を連想しましたが、最後は本来の物語とは異なる悲劇的な結末を迎えたようです。彼らはあえてバッドエンドルートのシンデレラを描くことで「魔法の力なんかに頼ると痛い目をみる。自分の力で生きろ」という教訓を込めた寓話を作り上げたのかもしれません。まぁこれはあくまで私の妄想なので、あまり真に受けないよう……彼らの音楽を通じてどんな解釈を導き出すかは貴方次第。

FOG
fogesque II
FOG
fogesque II
- release date /2024-11-06
- country /South Korea
- gerne /alternative-rock, dream-pop, indie-rock, post-hardcore, post-rock, shoegaze
韓国のシューゲイズ・バンドFOGの2ndアルバム。
彼らを知ったのは、コロナ禍に開催された名古屋のシューゲイザー専門イベントDREAMWAVESのオンライン配信でした。バンド名の通り、霧に包まれるような酩酊感のあるパフォーマンスで一瞬で心を掴まれたのを憶えています。
現在のメンバーはGyungwon Sin(Vo/Gt)、Ganghyeon Ryu(Gt)、Seungjun Oh(Ba)、Bang9suk(Dr)、Dongkyun Park(Syn)、Guinneissik(FX)の5人。結成は2018年で、メンバーはそれぞれブラックメタル、パンクロック、ノイズロック、ジャズといった異なるジャンルからシューゲイズへ傾倒した経緯を持っています。
Slowdive譲りの耽美なサウンドで広く評価された1stアルバムから約4年ぶりとなる新作は、対照的な作風の『fogesque II』と『fogesque III』の2作同時リリースとなっています。ここではダークなIIを取り上げます。
激しいノイズが吹雪のように荒れ狂う中、儚げで物悲しい歌声が木霊するサウンドはWhirrの『Sway』を思わせますが、より深い哀しみが染みついていて、凍傷を負いそうなほど冷気が心に忍び込みます。防寒対策を怠れば瞬く間に氷漬けになってしまうでしょう。まさに絶対零度のサッド・シューゲイズ。Last Leaf DownやLife on Venus級の極寒のメランコリーを求める方は必聴です。
一方、IIIはマス〜ポストロックを軸にしたドリーミーな作風で、同じバンドとは思えないアレンジの幅広さを見せてくれます。気になる方はぜひ聴き比べてみてください。
本国では明日の叙景や水中スピカといった日本のバンドとの交流も多く、来日も期待できそうです。彼らの生み出す美しい霧に包まれる日が待ち遠しいですね。

Softsun
Daylight in the Dark
Softsun
Daylight in the Dark
- release date /2024-11-08
- country /Norway, US
- gerne /dronegaze, doomgaze, shoegaze, psychedelic-rock
ノルウェーとアメリカのメンバーを擁するドゥームゲイズ・バンドの1stアルバム。
ノルウェーのドローンゲイズ・マイスターPia Isaksenが、自身のソロ作でカリフォルニアのYawning ManのギタリストGary Arce とコラボしたのをきっかけに2人は意気投合。Pia Isaksenはノルウェーからカリフォルニアへ飛び、Gary ArceとDan Joeright(Dr) とともにこのアルバムを完成させました。
Pia Isaksenはブルドーザーめいたヘヴィなベースを操りながら幽玄な歌声を響かせ、Gary Arceのギターはメロディアスでシューゲイズらしい煌めきと浮遊感を演出。Pia Isaが霧深い樹海だとしたら、Softsonは砂塵が舞う砂漠。あなたは砂嵐が吹き荒れる闇の中で、光を求めて彷徨う旅人になるのです。
ラストを飾る#6“Soft Sun”は比較的明るめなナンバーで、嵐が止んだ後に地平線の彼方から太陽が現れたような希望を感じさせてくれます。きっとアルバムを通して聴くと、砂漠を舞台にした長編映画を観終えたような充実感を味わえることでしょう。今年のドゥームゲイズ界に新たな傑作の誕生ですね。
そんなSoftsunですが、来年リリース予定のYawning Manとのスプリットアルバムのためにすでに数曲をレコーディングしており、2ndアルバムの企画もスタート、さらにライブツアーも行うそうで、その情熱は留まることを知りません。ノルウェーとアメリカ、重轟音への情熱が紡いだ絆に今後も注目です!